庚寅(かのえとら)満月の4月15日、太陽暦で5月29日(土) 
	   ビンタン区にあるミントラン公司の庭で夜8時を待って
		
		“チン・コン・ソンを聴く夕べ“が始まった
		
		3千坪の広い庭には何世紀も前の資材をそのまま使った何棟もの
		
		高床式の家が明かりの中に浮かんだ
		
		チン・コン・ソン、日本で言えば作詞家の吉岡治と作曲家の船村徹を
		一人で兼ねたような作詞・作曲かつ演奏家だった 公称独身のまま9年前
		 に亡くなった時はベトナムの全女性?が紅涙を絞ったという  
		 
		 当夜の出演者はタイ・ホア、トゥイ・ティエン、ドック・ティン、
		 
ヴォー・ホアン・イェン、ティエン・ガーほか“歌うビジネスマン倶楽部“の面々。
ベトナム語の歌詞の字義は殆ど解らないのにどうしてかチン・コン・ソン・
の唱はいつ聴いても切々と胸に迫る
カルダンコートを濡らして雨の夜にしか戻ってこない男、それも間遠に
なってしまたが今日こそはと待つ女心を歌った吉岡治・船村徹の“雨の夜     
あなたは帰る”という曲と同じ情感で包み込んでくる曲(ベトナム語で     
情曲。単にラブソングというより彼の詞唱は年を経て解釈が進化し詞は    
哲学的とさえ言われる)の数々に10時半の終演まで時間を忘れた
それにしてもこのような夕べを殆ど無償で、形だけの飲み物代を形だけ   
受け取られて会を成功させたミン・チャン公司グエン・チ・ユン(阮智勇)
社長の構想力と実行力にはいつもながら感服させられる 同氏はまた     
本田宗一郎の“夢を力に“の越語訳者としても知られる 日越、越日の    
ために更に大きなお仕事をされるであろうお方と見た。